蜜蝋（みつろう）
北の半島の長く寒い冬の季節に 火のぬくもりは大きな支えです
この辺りの家屋は 床暖房が整い オール電化の家も増え
設備の充実具合は都会と比べても 間取り空間が広く豊かです
がしかし 筆者はいまだに 薪ストーブの暮らしに憧れています
自然の火と言えば 患者さんに蜜ろうをすすめることがあります
１００％の純正蜜蝋は 焚くとマイナスイオンが発生するので
プラスイオンに傾いた現代の生活環境を中和・清浄にしてくれます
マイナスイオンは今日 商品の宣伝文句に使われ耳にする単語です
しかし 過剰なオゾンが懸念されるイオン発生装置や商品群に比べ
原料のすべてが天然素材から作られる蜜ろうや和ろうそくは
炎に向かって対流するホコリや有害物質 悪臭 ウイルスなどを
燃やすだけでなく 神秘的な光で心を穏やかにしてくれます
不眠に悩む患者さんには 就寝前の寝室にしばらく蜜ろうを灯し
清涼感による気分転換と 快い眠りを期待してすすめています
これから紹介するエピソードは 浄化作用の目的で蜜ろうを焚き
実にユニークな体験をした タエさん（仮名）の実話物語です
彼女は帰宅すると さっそく大都市の有名デパートに電話して
直径が１０ｃｍもある太い蜜ろうを 何本か取り寄せました
配達された蜜ろうは ヒイラギの香りがアロマテラピーを兼ねた
イギリス製の上質な品で 箱に入れられた一個が3500円でした
タエさん以外にも多数の患者さんが インターネットで調べたり
直接あちこちへ問い合わせて 自主的に蜜ろうを入手しました
筆者は ドイツへ嫁いだご親戚をもつ患者さんにお願いして
船便でまとめて買い入れましたが 到着まで日数がかかりました
それぞれが香りや光との出会いを楽しみ 有益な働きも実感し
異口同音に 蜜ろうを灯すと黄金色の大きな光輪が発生したこと
その美しく優しい炎に癒されたこと リラックスもして
幸福感と清浄な気分に満たされたと 感想を述べていました
ところが タエさんの最初の体験はとても異なっていました
彼女も 火を灯した当初は 他の人たちと同様 光輪に感動し
治療師が説明した有効な働きを信じて 火を見つめていました
すると突如 体が異様に冷たくなっていくのを自覚したのです
次に体が炎に包まれた錯覚に陥り 皮膚は火傷をした後にできる
ケロイド状態を呈している幻影が しかと見えてしまったのです
むろん実際には体のどこにも ろうそくの火は接触しておらず
ケロイドの皮膚も幻覚だと 即座に判断する冷静さはありました
タエさんは 自分の過去の時代を垣間見たのだと直感しました
彼女は 大やけどが原因で死に到った過去世があると思う と
治療師にその時の体験を報告しながら そう付け加えました
そして 以前にみた夢をなぜか想起したと 続けて話しました
その夢は 自分が大きな十字架を背負って坂を昇っている男で
「重い十字架を背中にかついで おっちらおっちら引きずって
どこかへ向かって運んでいるのよ もしかすると その十字架に
あたしは キリストをはりつけにしたんじゃないかしら」
蜜ろうの初体験に導かれた記憶を自己分析すると タエさんは
治療師に 過去世のリーディングを催促しているようでもあり
それを聞くのをためらう風でもあり 揺れている様子でした
キリストの時代に過去世を持っている患者さんは かなりいます
あえて タエさんの過去の人生をリーディングしないまでも
ゴルゴダの磔に関わった人の中で 1５世紀のヨーロッパに転生し
異端審問や魔女狩りの犠牲になったであろう魂は確実に存在します
当時の無実のユダヤ人が 日本にも転生しているかもしれません
なにがデジャヴューの引き金になるか判らないものです
拙書でも紹介した29歳の青年は 大工の金槌を振り上げた瞬間
戦国時代の実戦で胸を矢で射抜かれ 倒れた過去がよみがえり
激痛のために 上体をひねることも出来なくなったのでした
表題にもどりますが 自然の火は霊的エネルギーです
さまざまなアプローチで それを認識している人も多いでしょう
最初にタエさんが購入した何本かの蜜ろうをリーディングして
「右目 第三の目 左目」の火に相当する3本組を選びました
他の患者さんの蜜ろうも 持参してもらい 組み合わせを読み
火のエネルギーが最大限 生きるように活用してもらいました
自宅で灯した蜜ろうの炎は「火の自然霊」を呼び寄せたはずです
その典型的で少し過激な例が タエさんの体験でした
タエさんは火の自然霊との共振によって 過去の断片を見せられ
今生を生きている意味と 魂の目的を暗示されたのでした
「自然の火」のエピソードは 和ろうそくの体験も含めて
他の患者さんからもいくつか 珍しい証言をお聞きしています
本物の火にエネルギーが宿るという現実体験から 地球人として
本物の自然界を求め 守っていく義務があると気付かされました
火も 水も 風も 土も エネルギーであり 実在しています
自然界は悠久の時を生きる 人とは異なる形態の意識たちです
個々の暮らしを 社会の移り変わりを 科学や芸術の発展を
そして差別と虐殺の歴史をじっと目撃していたに違いありません
「自然に抱かれる」と人が言葉する時 それはまぎれもなく
自然霊たちとの共存 協調 調和に他ならないと信じています
