エネルギー呼吸
「感動」という感情粒子は 人の魂を高揚させ 謙虚にして
かつ根源のふるさとへと導いてくれるエネルギーの一つです
感受性センサーは 個々の環境 文化や年齢により異なります
最近の君は どんな出来事あるいは情景に感動したでしょうか
オリンピック イチローの最多安打 ドキュメンタリー番組
今日では エキサイティングな情報が瞬時に伝達されてきます
子供を育てる 犬や猫と暮らす 大切な人の死に直面するなどの
生命に触れる体験や人生の節目の後では 感じ方が変わります
青春時代に夢中になった人物や物 思考 趣味への執着が薄れ
かつて見過ごしていた情景に 今は涙することもあるでしょう
わたし自身はきょうまでの人生を 装飾・演出をしていた時期と
それが必要でなくなった時期に 二分されると総括しています
２０代の１０年間は夢を叶え 舞台演劇に全身全霊で打ち込み
体力の限り完全燃焼し 自己実現の日々を送っていました
入団３年目で初の主役をもらい ９年目には高名な作家の作品で
これ以上は望めないほどの やりがいのある主役を射止めました
生きてある己を実感するのに 積極的に感動を外部に求め
探し物は常に自分の外側にあると信じて疑いもしませんでした
ところが センターライトをあびて「勝ち組」を走っていたのに
達成感がまるでなく 心の底には虚しさが芽生えていました
化粧をほどこし ブランドの洋服を着て 持ち物にもこだわり
ウオーターフロントの高層住宅での都会生活を快適に感じても
その頃のアイデンティティは 他者の目に映る自分でしかなく
かっこよく生きているつもりが 何も見えていなかったのです
舞台を降りて 学生に戻り 次なる衝動を模索しました
週末には学会主催の勉強会や研究会に参加し 他に聖書の研究会
人智学研究会 スピリチュアリズム関連のサークルへ通いました
海外へも 自分探しと国際会議 観光を兼ねて何度か行きました
その頃のわたしは 己の内側に何も持っていなかったのです
そのくせ 他者の尺度をお仕着せられると居心地が悪く
自分の感覚で確かめてから 受け容れるか否かを決めました
結局 どの研究会 どの学会にも満足できませんでした
地球を一周して ようやく足元の東洋にそれを発見しました
探し物を見つけてからは装飾・演出するのがイヤになりました
化粧をしなくなると 体（肌）と 心も本来の呼吸に戻りました
バリカン刈りのショートヘアは 朝の身支度が簡単になりました
「持たない自由」とシンプルライフを生き さらに発見したのは
思いもかけない感動の贈り物が サンサンと降っていることです
それは あらかじめ計算され演出された刺激的な「感動」でなく
静かで穏やかな いうなれば本物に触れる内なる「喜び」でした
天空の広さ 雲の形 海の色 山の稜線 風の音 草木の緑
季節の花の香 子供の声 濡れた犬の鼻 馬の黒目 飛ぶ鳥
二つとして同じものが存在しない かけがえのない日常の光景
一見なんでもない風景が 奇跡として目に映ります
地球を支えるエネルギー元素が織り成す「自然芸術」の数々は
自然界の聖霊と天使の実在なくしては語れないと知りました
全ての生命にとって 地球の自然ほど大切なものはありません
己がいかに無知で 欲張りであったか 今でも思い知らされます
飽食と大食 そして貧欲 厳密な意味は異なっても同質です
それらはどれも 地球をむさぼり食うことだと思うのです
たった今も飢えて死ぬ子供たちがいるのに 恥ずかしい行為です
「質素」に暮らすことは それだけでも地球に貢献します
おしなべてエネルギーとは「呼吸」であり 吐いて吸う営みです
わたしの２０代の１０年は 自己実現ための我欲粒子を吐き続け
地球エーテル界を汚染していることに目が開かなかったのでした
それゆえ達成感もなく 盲目のまま 感情は貧困だったのです
治療師となってからの１０年間は 自分の体を媒体にして
患者さんの病気粒子を吸引することでエーテル界の浄化に携わり
言い換えると あがないをさせてもらったのだと思います
１０年と１０年 年数だけは帳消しになりました
わたし達は 遅かれ早かれ「スピリット」の世界へ移行します
その領域では ただ「エネルギー呼吸」あるのみです
地上にあっては 「吸う」ことはさほど問題になりません
贈り物を受けて 文句を言う者はおりませんから
人は 両手両肩に古くて重い荷物を抱え込んで生きています
一つを降ろし 贈り物を得る 「呼吸」の理にかなっています
問題は「吐く」ことです どんな感情粒子を吐くかです
「あるがままで地球を癒す者に」ルカ通信が脳裏をよぎります
あしたの朝 まだ命があったら まずは「感謝」でしょうか
君よ 今よりもいっそう身軽な魂となろうではありませんか
そして 恐れ多くも 今生の役割を果たしていきましょう
未来の地球で 連帯する「感動」を君と共有できますように
